機能解剖学的鍼治療

月輪堂の治療は機能解剖学に基ずく鍼治療です。収縮して凝り固まった筋肉に鍼を刺すことで血流を改善させ、痛みや痺れ・コリを解消させます。また筋肉が柔らかくなるので関節可動域も改善します。

急性期の症状には即効性があります。慢性化したものに対してはそれなりに時間がかかることがあります。

痛みやコリのメカニズムと治療機序

ここでは鍼治療が有効な痛みやコリの発生メカニズムについて簡単に説明します。

筋肉は使いすぎると収縮したまま元に戻らなくなります(凝り固まった状態)。不良姿勢による継続的筋緊張も同じ原理で固くなります。逆に使わなさすぎる(運動不足)と萎縮して、やはり固くなります。

筋肉の中は血管や神経が通っているので、筋肉が収縮するとこれらを絞扼します。一時的なものであるならば問題はありませんが、血管や神経が恒常的に絞扼され続けるとコリ感が生じ、さらに痛みや痺れへと亢進します。

血管が絞扼され血流が障害されると、老廃物が蓄積したり痛み物質が産生されて痛み痺れ・冷えの原因となります。一方で神経が直接絞扼されると痛み感覚異常・運動機能障害(神経伝導の減弱による)が発生します。

そこで凝り固まった筋肉に鍼を刺すと軸索反射により血管が拡張し血流が改善され、老廃物や痛み物質が排出されて酸素や栄養素に富んだ新しい血液が入ってくるので細胞が活性化して収縮し固くなっていた筋肉が柔らかくなります。

こうして血管や神経の絞扼が解消されることで、痛みやコリ・痺れが改善します。また運動機能も改善します。(神経伝導の正常化)

治療のながれ

問診

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検査(痛みの出る姿勢や動作、圧痛の有無から原因筋を鑑別します

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刺鍼

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留鍼(20分)

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予後の説明

治療時間は概ね60分です。

注意事項

空腹状態で鍼治療を受けると、めまいや吐き気が生じることがあります。

これは鍼を抜いて安静にしていれば治ります。

 

刺鍼により手足に一瞬ビリッとした電気が走ることがあります。

固い筋肉に鍼が刺さると収縮し神経を締め付けるので、一時的に電気が走ることがあります。

 

いままで痛くなかったのに痛みが生じることがあります。

痛みは、コリ感→弱い痛み→強い痛み→感覚麻痺の順番で亢進します。治る場合は逆の順番で改善しゆきます。それ故感覚が戻ってくると痛みを感じるようになります。治療するにつれて痛みは解消します。

 

内出血により痣のようになることがあります。

鍼が毛細血管を貫くと内出血して痣ができることがあります。これは一時的なもので1~2週間で消失しますのでご安心ください。

 

鍼治療を受けた日は効果を高めるため飲酒は控えてください。また、なるべく患部の運動も行わないようにしてください。